茨城県取手市の軽度認知障害(MCI)・認知症の専門クリニック

睡眠時無呼吸外来

なぜ、認知症専門クリニックで睡眠時無呼吸外来があるのでしょうか?

高齢者の睡眠で最近注目されているのが、睡眠時無呼吸症候群です。そして、その睡眠時無呼吸症候群が認知機能障害や認知症に影響を与えているのではないか、といわれているのです1)2)

  •  高齢者の3人に一人〜二人が睡眠時無呼吸症候群
  •  睡眠障害がある人の認知機能障害や認知症のリスクは健常者と比べ2倍近くになる

その原因はまだはっきりしていませんが、無呼吸によって酸素の供給が減り神経細胞がダメージを受けているのではないかといわれています。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群の人は、寝ている間に呼吸停止を繰り返すことで、日中ねむい、だるいなどの症状が出てしまいます。寝ている間に呼吸が止まると苦しくなって睡眠が浅くなってしまうため熟睡できず、日中の眠気やだるさにつながってしまうのです。

睡眠時無呼吸症候群の眠り方最近では交通事故の原因として話題になることも多いですね。また、高血圧や心筋梗塞、高脂血症など、さまざまな合併症を引き起こしてしまうこともわかってきました。

明らかな肥満の人だけでなく、顎の細い人、舌の筋肉が衰えてきた人など、高齢になるほど睡眠時無呼吸症候群になりやすくなりますので注意が必要です。

当院の取り組み

まずは診断を受けていただいた上で、必要であればCPAP (持続陽圧呼吸:continuous positive airway pressure)という治療法をおこないます。

CPAPは図のような鼻マスクをつけて眠ります。一定の圧力で鼻から空気が送られることにより、ふさがった呼吸の通り道を広げて呼吸を助けます。ちょっと違和感がありそうですが、慣れれば気にならなくなる方が多いです。また、この治療による大きな副作用はないといわれています。

CPAPを装着した睡眠

CPAPによる認知症予防効果については、まだ一致した意見にはなっていないことから3)4)、まだ医学的に効果があるとはいえません。ただ、当院では、軽度認知障害の治療にあたり、睡眠時無呼吸症候群の治療が必要な場合には、CPAPを受けることをおすすめしています。不明な点がございましたら、遠慮なくお尋ねください。

治療の流れ

①外来診察
まずは診察です。夜間のいびきなどを伺いますので、同居されている方など睡眠状況をよくご存じの方と受診してください。
②睡眠センサーマット検査(ご自宅で1週間)
診察の結果、睡眠時無呼吸の検査が必要と判断されたら、睡眠センサーマット検査を受けます。自宅の布団の下にマット状の検査機器を敷いて、普段通りに寝るだけで実施できる検査です。検査機器は当クリニックで貸し出します。この検査は保険適応ではなく、費用は3,240円です。 *医師の判断でこの検査をおこなわないことがあります。
③簡易PG検査(ご自宅で二晩)
睡眠センサーマット検査で睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、この検査を実施します。自宅に検査機器が郵送されるので、二晩装着したままお休みください。そのあと検査機器を送り返していただきます。保険適応で自己負担額は1,000円~3,000円程度です。 この検査で重症の睡眠時無呼吸症候群と判明した場合、すぐにCPAPを導入できますが、結果次第では、次のPSG検査が必要になります。
④PSG検査(ご自宅で一晩)
検査の手順は簡易PG検査と同様ですが、より詳細なデータをとるため、装着するセンサーが少し増えます。保険適応で自己負担は3,500円~11,000円程度です。
⑤CPAP
睡眠時無呼吸症候群があり、③または④でCPAPの適応と医師が判断したら、説明のうえCPAP治療開始です。CPAPの説明日は予約制となっています。

参考文献

1. Yaffe K, Laffan AM, Harrison SL et al. Sleep-disordered breathing, hypoxia, and risk of mild cognitive impairment and dementia in older women. JAMA. 2011; 306: 613-619.

2. Kheirandish-Gozal L, Philby MF, Alonso-Álvarez ML et al. Biomarkers of Alzheimer Disease in Children with Obstructive Sleep Apnea: Effect of Adenotonsillectomy. Sleep. 2016; 39: 1225-1232.

3. Osorio RS, Gumb T, Pirraglia E et al. Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative. Sleep-disordered breathing advances cognitive decline in the elderly. Neurology. 2015; 84: 1964-1971.

4. Pan YY, Deng Y, Xu X et al. Effects of Continuous Positive Airway Pressure on Cognitive Deficits in Middle-aged Patients with Obstructive Sleep Apnea Syndrome: A Meta-analysis of Randomized Controlled Trials. Chin Med J (Engl). 2015; 128: 2365-2373.

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